オンライン心理学研究の倫理規程
オンライン心理学研究の倫理規程
オンラインで心理学研究を行う上で倫理的配慮をどのように行うべきなのでしょうか?オンライン心理学研究に関する倫理規程や倫理指針があればよいのですが,執筆時現在(2019年3月)において,本邦の心理学関連学会からはインターネットを介した研究やオンライン実験・調査に関する倫理規程や倫理指針などはでていません。したがって,参考になるのは海外の倫理指針になります。伊藤言先生がブログに詳しくまとめてくださっていますが,有名なものとしてWaterloo大学による倫理指針があります。また,学会レベルですと,イギリス心理学会もインターネットを介した研究(Internet-mediated research)の倫理指針を発表しています。雑誌では,アメリカの心理学者向けとのことですが,Psychonomic Societyが発行している方法論を扱うBehavior research methodsに掲載されているBarchard & Willams (2008)もあります。
現状では,これらの倫理指針を参照しつつ,所属機関の倫理審査を受けた上で実施するという形になるかと思います。様々な倫理指針がありますが,紹介した中だと,最も大きな規模の団体であるイギリス心理学会による倫理指針には少なくとも準拠すべきかなと思います。
参考
- Barchard, K., & Williams, J. (2008). Practical advice for conducting ethical online experiments and questionnaires for United States psychologists.Behavior Research Methods, 40, 1111–1128. doi:10.3758/brm.40.4.1111
- British Psychological Society. (2017). Ethics guidelines for internet mediated research. Retrieved from https://www.bps.org.uk/sites/bps.org.uk/files/Policy/Policy%20-%20Files/Ethics%20Guidelines%20for%20Internet-mediated%20Research%20%282017%29.pdf
- 伊藤言先生HP(http://genito.net/)